◇条例知らない外国人 中国人と韓国人を中心に
外国人観光客が詰めかける京都市で、市条例で定められた禁止区域の路上で喫煙し、過料を徴収される外国人が急増している。日本人には条例の存在が知られるようになったが、多くの外国人には知られていない。市は出張先の海外で条例を説明するなど、PR活動に躍起だ。
市は2007年6月、路上喫煙禁止条例を施行。市内全域で路上喫煙を控える努力義務を課し、特に四条河原町などの繁華街には禁止区域を設定し、08年6月から過料1000円の徴収を始めた。12年2月からは多くの観光客が訪れる祇園・清水地域や京都駅周辺にも区域を拡大。府警OBの指導員9人が交代で巡回し、路上喫煙を発見したらその場で過料を徴収している。
市によると、12年度以降、日本人を含む全体の徴収者は6割減って14年度は約3000人だが、外国人は中国人と韓国人を中心に12年度288人▽13年度273人▽14年度395人で、今年度は上半期だけで274人と急増。条例が日本人には浸透しているが、外国人にはしていない現状が浮かび上がった。
日本政府観光局によると、今年1~10月の訪日外国人観光客数は前年同期の約1.5倍の1631万6900人だ。特に京都市は、7月に米大手旅行誌が行った人気観光都市の読者投票で2年連続で世界一となり、人気は止まらない。
日本禁煙学会(東京)によると、欧米では大都市を中心に路上での禁煙が進んでいるが、アジア諸国は規制が遅れているという。京都市は13年ごろから条例を周知する取り組みを本格化。観光協会など外国人がチェックする機関のホームページに条例内容を掲載してもらえるよう依頼▽関西国際空港の観光案内所に喫煙マナーなどを書いた小冊子を用意▽禁止区域内の啓発看板や路面標示に中国語と韓国語を追加--するなどしている。市職員が海外出張する際は現地の旅行会社を回り、喫煙マナーを説明している。
藤田裕之・副市長は「文化の違いがあるため、何も知らせずに徴収するのは気の毒。禁止区域を巡回する指導員に派手な服を着てもらうなどし、条例を周知させたい」としている。【土本匡孝】
2015年12月04日
毎日新聞(無料)から
(引用)
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京都市:路上喫煙は過料1000円 徴収される外国人急増
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