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Channel: おっちゃん、さん。(そろそろ引退するかも)のブログ
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【辛坊持論】「歴代市長、議員が黙殺してきた現実―」

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 大阪府知事、大阪市長のダブル選挙投開票(22日)が迫ってきた。候補者の演説も日に日にヒートアップ。本紙コラム「辛坊持論」のキャスター・辛坊治郎氏(59)も大阪の明日を憂う一人として、選挙戦の行方を注視する。

 先週末、本紙編集部から無理な注文が来ました。「ダブル選特集を組むので、辛坊さんのコラムもその方向でお願いします」

 ん~、困った。実は私が立候補しないと分かって以降、複数のメディアからダブル選の予想と結果についてのコメント依頼が集中してるんです。でも一切お断りしてきました。「客観、公正、中立」を旨とするニュースキャスターとしては、立場上あからさまに一方に味方するわけにいかず、そうなると、そんなコラム、面白くもなんともないですから。でも今回は報知の依頼。むげに断るわけにもいかず、以下、遠回しな表現で大阪の現実を書きます。どうか行間をお読みください。

 先々週の日曜日、金沢工業大学の教授と対談を行いました。今月24日まで無料で公開されている「世界を変えた書物展」の関連イベントで、読売新聞に大きく掲載されましたから、お読みになった方も多いでしょう。会場となったグランフロント北館、帰り道に寄ったルクア・阪急・大丸など、人、人、人の大にぎわいで、USJ&インバウンド景気に沸く「好況大阪」を実感しました。ところが、そのまま京阪・淀屋橋駅方面に歩き続けて、「何じゃこりゃ!」って思ったんです。

 阪神百貨店を境に、戦後、大阪市が再開発を手掛けた通称ダイヤモンド地区、具体的には大阪駅と国道2号との間の五角形の地域に足を入れると、明らかに敷地全体が大きく波打っていて敷石がアチコチひび割れています。

 途中で切れる高架歩道を支える鉄骨は赤さびとクモの巣に覆われ、国道に面した市の「駅前ビル群」は、シャッターの下りた店舗の間に金券ショップばかり目立ちます。大阪駅から北新地、大阪市役所、御堂筋に向かうこのルートは間違いなく大阪の表玄関なのに、現状はあまりに寂し過ぎます。想像してください。東京駅の丸の内側の駅前がこんな状態だったらどうかって。

 この界隈(かいわい)を巡っては、今年ちょっとしたニュースがありました。地下道に面して戦後63年間にわたって営業を続けていた人気の串カツ店が大阪市から立ち退きを求められたんですね。この店舗が大阪市に払っていた「道路使用許可料」が月額1万3000円という衝撃の安さだったのが話題になりましたが、問題の根っ子はもっとずっと深いんです。

 この串カツ店と共に立ち退きを求められた他の4店舗は、立ち退き最終局面になって、「常識的」な家賃を払っていたことが明らかになりました。実は、市の職員の天下り先である財団法人が、一括して市から道路使用許可を受け、それを商店に高額家賃でまた貸ししていたんです。早い話、市の職員OBが堂々と公有財産のピンハネ組織を作っていたんです。

 この異常な構造は、金の無い大阪市に代わって阪神百貨店が再開発の負担をしてくれることになってようやく明るみに出たわけですが、歴代の市長、議員は一体何をしてきたんだと、大阪市民ならずとも怒りに震えます。もちろん、その責任は「現職」にもあります。

 一事が万事。大阪市の抱える闇は、いまだ相当に深いです。大切なことは、今回の選挙で名乗りを上げている人々が、そんな「大阪の闇」をどれくらい認識しているかです。皆さんの一票が間違いなく、大阪の未来を決めるんです。((株)大阪綜合研究所代表)

スポーツ報知から
2015年11月22日(日)17時28分
(引用)




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