産業廃棄物が不法投棄された豊島(香川県土庄町)で、県が「産廃撤去済み」としていた場所から、新たにドラム缶が30本以上見つかったことが17日、分かった。この日、高松市内であった「第43回豊島廃棄物等管理委員会」(委員長=永田勝也・早稲田大名誉教授)で、廃棄物対策豊島住民会議の安岐正三事務局長が指摘し、明らかになった。ドラム缶は、県がマニュアルに沿って実施した探査では金属反応がなかった地中からも見つかっており、永田委員長らは、探査法の信頼性に疑問を投げかけた。【植松晃一】
県廃棄物対策課によると、ドラム缶が見つかったのは処分地の北西隅付近。海へ汚染水が染み出ないよう打たれた鋼鉄矢板のそばで、県が「産廃掘削済み」としていた地点だ。
県は、この地点で地下1メートル程度までの金属に反応する電磁法探査を実施した。反応があり、15日から周辺部を含めて掘削したところ、16日までに計34本のドラム缶が出てきた。腐食が進んでいたり、空だったものもあるが、一部のドラム缶には、粘性の強いオレンジ色の物質が入っていた。掘削作業は続行中で、さらに缶が出てくる可能性があるという。
金属反応がなかった部分からもドラム缶が出てきたため、17日の管理委員会では、出席した委員が探査法の信頼性に疑問を投げかけた。永田委員長は「マニュアル通り探査して、見つからないはずのところからドラム缶が出たのなら、マニュアルを修正しなければならないのではないか」と指摘した。
豊島の不法投棄問題を巡っては、浜田恵造知事が今月15日、想定外の産廃が見つかったため、処理完了が4月中旬になるとの見通しを明らかにしたばかり。安岐事務局長は、「県は期限までに産廃を搬出すると言うが、今年は何度も産廃量が増えている。大丈夫なのか」と強い不安を訴えた。
2016年12月18日
毎日新聞(無料)から
(引用)
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産廃:豊島で新たにドラム缶30本超 「撤去済み」地点
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