Quantcast
Channel: おっちゃん、さん。(そろそろ引退するかも)のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 19351

新興感染症:20年、国内で広がると…経済損失2.7兆円

$
0
0

◇雇用は58万人分減

 東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年に、中東呼吸器症候群(MERS)のような新興感染症が国内で広がった場合、日本を訪れる外国人旅行者が減少する影響だけで2兆7000億円の経済損失が生じるとの試算結果を政府がまとめた。58万人分の雇用も失われるという。このほか国内消費が冷え込むなど被害のさらなる拡大が見込まれるため、国立感染症研究所を中心に新興感染症対策の強化に取り組む。

 新興感染症は、1970年ごろから新たに見つかり、局地的、国際的に公衆衛生上問題となる感染症。MERSや重症急性呼吸器症候群(SARS)など約30種類あるとされる。

 内閣官房や厚生労働省などが、03年に香港で感染拡大したSARSと、15年に韓国で36人の死者を出したMERSについて経済損失を分析。いずれも流行のピークは約2カ月間と短かったが、外国人観光客数が約5~7割も減少。香港で当時の国内総生産(GDP)を7.6%減らし、韓国で韓国銀行(中央銀行)の経済成長率見通しを0.7%押し下げる損害が生じた。

 日本政府は20年の訪日客数を今の倍の4000万人に増やす目標を掲げている。しかし、新興感染症が広がった場合、香港と韓国のケースに基づき試算したところ、訪日客が約1300万人減少。小売業などに影響して国内全体で2兆7000億円(GDP比0.5%)の損害が発生し、観光業を中心に58万人分の雇用が減ると推定した。

 試算結果をまとめた報告書によると、感染症の早期発見から拡大防止へのプロセスの確立などが感染症対策に不可欠と指摘。そのうえで、「感染症の国内への流入を水際で未然に防御することは不可能に近い。国内での発生や拡大を想定して対策を組むことが重要」としている。【阿部周一】

2016年11月20日
毎日新聞(無料)から
(引用)



Viewing all articles
Browse latest Browse all 19351

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>