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Channel: おっちゃん、さん。(そろそろ引退するかも)のブログ
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高齢者ドライバー:注意喚起で「ドライブレコーダー」無料

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◇鹿児島と福井両県警、運転中の動画を撮影

 高齢者ドライバーの重大事故が相次ぐ中、全国の警察などがあの手この手で対策を打ち出している。鹿児島、福井両県警は、運転中の動画を撮影する「ドライブレコーダー」を無料で貸し出す先進的な取り組みを展開。注意喚起ばかりでなく自主返納にもつながっており、識者も“切り札”に期待する。

 ドライブレコーダーは、車内に取り付けるカメラ付きの小型の機器。車の前方を中心に動画を撮影し、メモリーカードなどに記録。あとで確認することができる。フロントガラスの内側にくっつけたり、ルームミラーに挟んで装着したりと取り付けも簡単だ。

 鹿児島県警は県内全28署に1台ずつ配備し、今年8月から65歳以上に貸し出している。レコーダーは1台約1万3000円で総事業費は約40万円。これまでに30人以上が利用し、免許を自主返納した高齢者もいた。

 鹿児島市で印刷会社を営む柚木(ゆのき)盛雄さん(71)も利用者の一人。マイカーに装着し、動画を家族とともに見たところ、自分が丁字路の一時停止ラインぎりぎりのところで急停止し、左折していた。もっと余裕を持って運転しているつもりだったためショックを受けた。さらに驚いたのは、右から来ていた車が柚木さんが突っ込んでくると思ったのか、急ブレーキをかけていたことだった。動画を見るまでまったく気づかなかった。

 「運転技術が衰えている」。そう実感した。しかし、営業先や取引先を回るには、公共交通機関が整っておらず車をすぐに手放すのは難しい。「免許を返納するまで細心の注意を払って運転する」。そう決意した。

 福井県警は昨年7月から県内11署に計15台を配備して、75歳以上のドライバーに貸し出している。レコーダー1台は約3万円で総事業費は約406万円。今年4月からは「70歳以上」と対象を広げ、11月末までに474人が利用した。このうち、441人が回答したアンケートでは、うち46人が「衰えを感じた」、27人が「運転を控えようと思った」と回答した。実際に免許を自主返納した人も把握分だけで3人いる。

 記録した動画は、警察官が見せながらアドバイスする。中央線をまたいで走行を続けていたケースもあり、「覚えていない」と驚くドライバーもいた。担当者は「『運転を続けたいから自分の技術を確認したい』という利用者が多い」と話す。

 NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」(東京)の岩越和紀理事長は「高齢で視力や体が衰えても、事故を起こさない限り、本人が運転の危険を実感することは難しい。ドライブレコーダーの記録映像を専門の第三者に評価してもらうことで、危険に気付くきっかけになる」と話した。【田中韻、青木絵美】

◇九州・山口の各県警、さまざまな取り組み

 九州・山口の各県警はさまざまな取り組みを展開している。

 免許センターに看護師を配置しているのは長崎、熊本、宮崎。このうち、2015年に全国で初めて看護師2人を配置した熊本は今年から3人に増やし、免許更新時、「過去5年以内に意識を失ったことがあるか」など五つの問いのうち一つでも該当すれば面談をし、認知症の恐れがあれば受診を勧める。

 山口では、希望者向けに自動車学校内のコースを実際に運転する無料の「交通安全定期診断」を実施し、今年だけで600人超が参加した。助手席の教官が「もっと早く方向指示器を出した方がいい」「ブレーキのタイミングが遅い」などと指摘。後部座席に家族が同乗でき、一緒に説明を聞いて改善につなげるのもポイントだ。

 大分の免許センターは昨秋、「ホンダ」が開発した「危険予測トレーニングシステム」を全国で初めて導入。運転席からの視界を再現した一連の映像を見ながら、危険を感じるたびに手元のボタンを押す。最後に、ボタンを押したタイミングで実際に危険が回避できるかどうか診断結果が示され、自分の危険予知のレベルが客観的に把握できる仕組みだ。【まとめ・青木絵美】

◇高齢者ドライバーへの主な支援策

▽免許センターに保健師配置、危険予測トレーニングシステム導入=大分

▽免許センターに看護師配置=長崎、熊本、宮崎

▽自動車学校で家族同乗の交通安全定期診断=山口

2016年12月27日
毎日新聞(無料)から
(引用)



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