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ATM不正引き出し:全国106人逮捕…指定5暴力団員も

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 17都府県のコンビニの現金自動受払機(ATM)で18億円超が一斉に不正引き出しされた事件で、11日までに全国の警察が少なくとも106人の容疑者を逮捕し、その中に五つの指定暴力団の傘下組織の組員が含まれていることが毎日新聞の取材で分かった。事件発生から15日で半年。警察当局はハッカー組織との間に介在する犯罪組織が暴力団組員らと連携していたとみて解明を進めている。【まとめ・斎川瞳】

◇事前に予行練習か

 事件は今年5月15日午前5時ごろから約3時間の間に各地で発生。コンビニに設置されたセブン銀行などのATM約1700台から計約18億6000万円が引き出された。引き出しには南アフリカのスタンダード銀行が発行したクレジットカード情報を入力した偽造カードが使われた。防犯カメラの映像などから、現金引き出し役の出し子として事件に関与した者は約600人に上るとみられる。

 毎日新聞が各都道府県の警察本部などに取材したところ、出し子を中心に少なくとも106人が窃盗容疑などで逮捕されていたことが判明した。この中には、山口組(本部・神戸市)▽神戸山口組(兵庫県淡路市)▽稲川会(東京都港区)▽道仁会(福岡県久留米市)▽合田一家(山口県下関市)の五つの指定暴力団の傘下の組幹部や組員が10人以上含まれていた。新潟県では山口組系の組幹部だった男(36)がまとめ役になったグループに、山口組と対立関係にある神戸山口組の傘下組幹部(39)が加わったケースがあった。

 詐欺に関与したことのある者も、今回の事件で検挙されている。新潟県警は、振り込め詐欺事件で逮捕した男の関係先から、不正引き出しの手順を示す紙を押収した。埼玉、山口両県警は架空請求詐欺事件で逮捕された男について、今回の事件に関わったとして窃盗容疑などで逮捕した。

 一斉引き出しに向けた準備とみられる動きは4月に始まっていた。東京都内では何者かがコンビニのATMで偽造カードを使い、引き出しや残高照会の操作を計5回行った。捜査関係者は「本番に向けて手順を確認していたのではないか」とみている。新潟県内でも4月中旬に出し子を集める動きがあったことが確認されている。

 事件では、スタンダード銀行のシステムにサイバー攻撃を仕掛け、カードの暗証番号の承認機能を無効にしたハッカー組織が存在しているとみられる。また警察当局は、ハッカー組織と引き出しを実行したグループとの間に、国内の犯罪組織が介在している可能性があるとみており、実態の解明を進めている。捜査幹部は「ハッカーとつながる犯罪組織が、各地の暴力団組員や特殊詐欺グループと連動したのではないか」と分析している。

◇ハッカー組織化脅威…専門家指摘

 「同様の事件がまた起こり、被害は深刻化するおそれがある」。サイバー攻撃に関する技術を善良な目的に生かす「ホワイトハッカー」らで作るセキュリティー企業「スプラウト」(東京都渋谷区)の高野聖玄社長はそう指摘する。高度な攻撃技術を持つハッカーが組織化し、政府機関や企業に攻撃を仕掛けるケースが近年、世界的に目立っているという。

 わずか3時間で約18億6000万円が不正に引き出された今回の事件も、ハッカー組織と日本の犯罪組織が連携して実行したとみられる。高野社長は「双方にとってこんなにおいしい仕事はない。同じことをやりたいと思うのが当然」と話す。

 こうした犯罪ビジネスも、鍵となるのは組織同士の信用だという。提供されたカード情報は本物なのか。引き出しに成功し、それが裏付けられたことが信用につながり、ハッカー組織と犯罪組織の結びつきはより強くなったと予想される。

 事件後、セブン銀行は不正に使われたタイプの磁気ストライプ型カードによる1回の引き出し限度額を10万円から3万円に引き下げた。ATMの不正利用を即座に検知するシステムも導入するなどセキュリティー対策を強化している。

 しかし高野社長は「対策に終わりはない」と警鐘を鳴らす。ハッカーが限度額の設定や不正検知機能を無効化する可能性も捨てきれない。「攻撃を受けた企業などが速やかに情報を共有し、被害が拡大しないよう社会全体で対策を講じる仕組み作りが重要だ」

2016年11月12日
毎日新聞(無料)から
(引用)




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