◇富山市第1は自民、高岡市は自民と社民
政務活動費の不正を認めた議員の辞職に伴う富山県議補選の富山市第1選挙区(改選数1)と高岡市選挙区(同2)は23日、投開票された。「政治とカネ」「議会改革」を巡る論戦の末に、1人が辞職した自民が両選挙区で1議席ずつ獲得し、補選前より1議席伸ばす結果となった。高岡市選挙区では社民新人も当選。辞職で2議席を失った民進は候補者を擁立しなかった。任期は2019年4月まで。
民進県連前代表の坂野裕一氏(52)=除籍処分=の辞職に伴う富山市第1選挙区では、自民新人で衆院議員事務所長の藤田良久氏(68)が、日本維新の会新人で衆院議員秘書の京谷公友氏(48)と、諸派「怒る県民の会」新人で富山大名誉教授の星野富一氏(68)=共産、自由、社民推薦=を破った。
藤田氏は厚い保守地盤を背景に組織戦を展開。京谷、星野両氏は、富山市議会の政活費問題で市議10人が辞職した自民への批判票の取り込みを図ったが分散した。2人の得票合計は藤田氏の3万2934票を1万票近く上回った。
藤田氏は「支援者から自民党に批判的な言葉も頂いた。それを胸に受け止め、県政の信頼回復に導く」と述べた。一方、京谷氏は「富山でも維新の会の政策に期待する人がいると分かった。引き続き活動を進める」と語った。星野氏は「保守の金城湯池と言われる富山だが、組織の基盤を切り崩せず大変残念」と肩を落とした。
高岡市選挙区は、辞職連鎖の発端となった矢後肇氏(57)=自民離党=と山上正隆氏(61)=民進除籍処分=の辞職に伴う。自民新人の元高岡市議、酒井立志氏(61)が矢後氏の議席を守り、もう1議席は社民新人で元高岡市議の島村進氏(69)が獲得した。
有権者は厳しい目で1票の行き先を選択した。富山市長江の建設会社員、竹田豪さん(38)は「不正が相次ぎ、同じ県民として恥ずかしかった。税金の使い道を見極め、必要な政策を実行してほしい」と新議員に求めた。同市の無職、中田久美子さん(74)は「公私混同の政治からクリーンで透明性の高い政治へと期待したが、結果は、投票に行かない市民も多く本当に残念としか言いようがない」と語った。【大東祐紀】
2016年10月23日
毎日新聞(無料)から
(引用)
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富山県議補選:自民が1議席増の2議席、社民が1議席獲得
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