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Channel: おっちゃん、さん。(そろそろ引退するかも)のブログ
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日航機墜落31年:絶対に風化させない

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 絶対に風化させない--。日航ジャンボ機墜落事故の現場「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)には12日早朝から、多くの遺族が慰霊に訪れた。520人が犠牲になった1985年の事故から31年。犠牲者の墓標が並ぶ尾根は、深い鎮魂の祈りに包まれた。

 慰霊登山にこの日訪れたのは77家族計273人。神奈川県鎌倉市の増永茂子さん(67)は、犠牲になった父忠彦さん(当時67歳)が好きだったコーヒーやナッツ類を墓標に供えた。増永さんは父が仕事で事故機に乗り合わせる直前、当時住んでいた米ロサンゼルスから里帰りしていた。「娘の手料理が食べたい」という父のリクエストに応えるためだった。久しぶりの家族水入らずの食事。「最後に父と会えた。父が呼んでくれたのかな」

 母恭子さんは13年前、76歳で亡くなった。生前、日航や米ボーイング社の関係者らが業務上過失致死傷容疑で書類送検されたが、不起訴処分になったことに対し、不当性を訴える署名活動を行った。「事故原因にはまだ納得していない。母の遺志を受け継ぎ、母の分もお参りを続けたい」と力を込めた。

 「無事にここまで来られました」。夫の幹夫さん(当時31歳)を失った千葉県市原市の塚原久美子さん(61)は、長男(34)家族と次男(31)の計6人で慰霊登山した。墓標に供えたのは5歳と7歳の孫2人が折った色とりどりの折り鶴7羽。「孫たちは『一緒に旅行ができる』と思っているのか楽しんで来てくれる。そのうち事故のことも伝えたい」

 神戸の実家に帰省途中、事故に遭った工藤由美さん(当時24歳)のめい、相沢亜李紗さん(31)=東京都八王子市=は夫と1~7歳の子ども3人とお参りにきた。長男は12日、1歳になったばかり。この日来られなかった母親(60)に見せるため、墓標の写真を撮った。「31年間、山の管理を続けてくれた日航や村の人たちに感謝している。風化させないためにも、企業でも遺族の中でも引き継いでいくことが大切だと思う」と話した。【鈴木敦子】

2016年08月12日
毎日新聞(無料)から
(引用)




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