日航ジャンボ機墜落事故から31年。事故現場の「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)には12日早朝からさまざまな思いを胸にした人たちが慰霊に訪れた。
登山者の中には、東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県名取市立閖上(ゆりあげ)中の子どもたちの親もおり、初めて墜落事故の遺族と一緒に登った。
その一人、閖上中1年の長男公太さん(当時13歳)を亡くした丹野祐子さん(47)は、墜落事故で犠牲になった美谷島邦子さん(69)=東京都大田区=の次男健さん(当時9歳)の墓標に持参したこいのぼりを供えた。
二人の出会いは、事故の再発防止に取り組んできた美谷島さんの著書を読んで感銘を受けた丹野さんが昨夏、御巣鷹の尾根を訪れたことがきっかけだ。
美谷島さんから連絡があり、今年2月、美谷島さんを閖上地区に招いた。子どもを亡くした遺族も参加して交流を深めた。
慰霊登山前日の11日。灯籠(とうろう)流しで、丹野さんは灯籠にこう書いた。「公太がつないでくれた縁で生かされています。ありがとう」。美谷島さんの31年間の歩みに自らの今後を重ね合わせ、震災を語り継ぐ決意を新たにしている。【川口裕之】
2016年08月12日
毎日新聞(無料)から
(引用)
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日航機墜落31年:東日本大震災の被災者遺族も御巣鷹へ
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