【カラダの不思議】飛行機やエレベーターで「耳がキーンとなる」現象。原因は気圧の変化として知られているが、すぐにそうなる人と、なりにくい人がいる。これってなぜ? 慶友銀座クリニックの大場俊彦院長に聞いた。
「耳鳴りの症状としてキーンとなる人がいます。難聴が原因の場合があるので鼓膜の状態を確かめた上で、聞こえの検査をしたほうがいいと思います。気圧の変化で耳がキーンとなりやすい人は、鼓膜の内側にある中耳と鼻の奥とをつなぐ細い管『耳管』の機能が良くない人が多いと思います」
エレベーターの上昇時などで外の気圧が低くなり、耳の中で鼓膜の内と外の気圧差ができる。すると、鼓膜が外に膨れるようになり、うまく振動できず、音が伝わりにくくなり、耳が詰まったようなキーンとした感じになるという。
下降時には逆に耳の内側の気圧が低くなり、鼓膜が内側に引っ張られた状態で、耳の詰まりや、耳がキーン、痛みなどの症状が出るという。
「耳管は鼓膜の内外の空気圧を等しくする圧力調整をしています。ところが、耳管に空気が通りにくいと、耳がキーンという耳づまり感が出やすいのです」
耳管の通りは体調とも関係していて、例えば風邪をひいている時には通りが悪く、鼓膜を戻しにくいことがあるそうだ。
「アレルギー性鼻炎を持っている人も詰まりやすくなります。中耳炎である場合もあります」
鼻炎や風邪、中耳炎などの場合、症状が良くなれば改善することもあるが、「いつも耳が詰まりやすく、キーンとなりやすい」人もいる。
「例えば、もともと鼻がすごく曲がっていて空気が通りにくい場合もありますし、蓄のう症を持っていることもあります。また、耳管の出入口にできものがあると、詰まりやすくなる傾向があります 咽頭扁桃肥大症のアデノイドが原因の場合は年齢とともに小さくなるので症状も解消されていきますが、ごくまれに悪性腫瘍や悪性リンパ腫の場合もあります」
体調などの影響で耳がキーンとする場合はともかく、繰り返す人の場合は何か原因があるそうだ。「いつも耳がつまりやすい、キーンとする」人は、一度、耳鼻科を受診してみては?
夕刊フジから
2016年2月1日(月)16時56分
(引用)
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気圧の変化で耳が「キーン」 原因は鼻にある?
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